彼は、“もはや信心しかない。本気になって信心に励んでみよう”と腹を決めた。
それまでは、“頑張って信心してきたのに、どうしてこうなるのだ!”という思いがあった。しかし、新たな決意で唱題に励むと、心が変わっていくのを感じた。
“俺はこれまで、教学を学んできた。御書に照らして見れば、過去世で、悪業の限りを尽くしてきたにちがいない。それなのに大した信心もしないで、御本尊が悪いかのように考えていた。傲慢だったのだ。日蓮大聖人は、「諸罪は霜露の如くに法華経の日輪に値い奉りて消ゆべし」(御書一四三九ページ)と仰せになっている。信心によって、今生で罪障消滅できるとの御断言だ。なんとありがたい仏法なんだ!”そう思うと、御本尊への深い感謝の念が湧いてくるのだ。感謝の心は、歓喜をもたらし、その生命の躍動が、大生命力を涌現させる。