山本伸一は、研修道場で天宮に言った。
「あなたのように、必死になって戦い抜いてきた方が、今日の広宣流布の流れを開いてきたんです。『いごっそう、万歳!』です。
私がお願いしたいのは、さらに大きな心で皆を包み込んでいただきたいということです。一徹な人は、ともすれば、人の意見を聞かず、自分の考えを人に押しつける傾向があるといわれています。しかし、広宣流布は、団結の力によってなされる。皆が心を合わせ、伸び伸びと前進していくには、リーダーの包容力、寛容さが必要なんです。
また、あなたの強盛な信心を、お子さんたちにも伝えていってください。二十一世紀が、広宣流布の本当の勝負になります」
天宮は決意を確認するように深く頷いた。
伸一は、天宮を顕彰していくため、この広場の名称を、彼の名を冠したものにしてはどうかと、方面や県の幹部らに提案した。
社会では、顕彰されるのは権力者や著名人がほとんどである。しかし、伸一は、黙々と人びとの幸福のために奮闘してきた、無名の民衆リーダーたちの名を、樹木や庭などの名称に冠することによって、末永く顕彰するように努めていた。そこにこそ、万人の平等を説く仏法の眼があり、民衆を王とする、真の民主があるからだ。(聖教深部により転載)
「一人の一歩も大切、しかし社会は大勢の人で成り立っている。その多くの方々のためにもリーダーとして寛容で心豊かな包容力で皆を包み込んでいけるように自分自身も成長して行こう!」