「地元の女子部の大ブロック長(後の地区リーダー)で金山智美さんといいます。研修道場の事務所を手伝ってくれております」
実は、彼女は膠原病を患い、薬の副作用による肌荒れや目の充血があった。そのなかで裏方として、準備にあたってきたという。
伸一は、金山に声をかけた。そして、「ありがとう!」と感謝を述べると、力を込めて励ましていった。
「信心をしているのだから、必ず宿命転換はできます。絶対に病は治すと決めて、題目を唱え抜いていくんだよ。二百万遍、三百万遍と、真剣に祈り抜いていくんです。何よりも、“病になんか負けるものか!”という、強い一念をもつことです。いいですね」
「はい……」
緊張していたのか、か細い声であった。
伸一は、諭すように言った。
「小さな声だね。そんな弱々しい声では、病魔を打ち破っていくことはできないよ。はつらつと生命力をみなぎらせていくんです。“私は、必ず元気になってみせる! 断じて乗り越えてみせる!”という、師子の気迫が大事なんだ。もう一度、言ってみようね」
「はい!」
決意のこもった明るい声が帰ってきた。
「そうだ! その意気だよ!私も題目を送ります。一人じゃないよ。すべての諸天善神が、あなたを守ってくれます。必ず元気になって、またお会いしよう」
金山の頰に赤みが差し、瞳は誓いに輝いていた。伸一も愁眉を開いた。束の間の出会いであったが、彼女は奮い立った。
その後、金山は、見事に病を乗り越えている。そして結婚し、家庭を築き、夫妻で土佐清水の広布に駆け巡ることになるのである。(聖教新聞より転載)
「信心とは自分自身を信じる心と書きます。世の中なかなか自分自身に自信がもてないって事もあります。この信心は自分自身の力を信じる信仰です!私はこの信心で自分自身に自信がみなぎる生き方をする事ができました。これからも日々成長して行きたいと思っています」